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建設業の中でも幅広い工事を手がける塗装工事業。建物の美観を保ち、保護する重要な役割を担うこの業種の許可を取得することは、建設業者としての事業拡大において大きな転機となります。しかし、建設業許可の取得には複雑な要件があり、多くの事業者様が手続きに頭を悩ませています。本記事では、特に横須賀・横浜エリアで塗装工事業の建設業許可を取得するための要件や申請方法について、わかりやすく解説します。建設業法の専門知識を持つ行政書士として、許可取得をスムーズに進めるためのポイントをご紹介します。
- 1. 内装仕上工事業とは?許可が必要な工事の範囲
- 2. 塗装工事業の内容と具体例
- 3. 塗装工事業の考え方と区分
- 3.1. 「内装仕上工事業」との違い
- 3.2. 「防水工事業」との違い
- 3.3. 路面標示工事について
- 4. 建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧
- 5. 建設業許可が必要となる工事金額の基準
- 5.1. 建設業許可が必要な場合と不要な場合
- 5.2. 許可なしで工事を請け負うリスク
- 6. 神奈川県で建設業許可を取得するための5つの要件
- 6.1. 1. 経営業務の管理責任者(経管)の要件
- 6.2. 2. 専任技術者(営業所技術者)の要件
- 6.3. 3. 誠実性の要件
- 6.4. 4. 財産的基礎・金銭的信用の要件
- 6.5. 5. 社会保険への加入
- 7. 営業所の場所で決まる許可の種類
- 8. 一般建設業と特定建設業の違いと選び方
- 8.1. どちらの許可を取得すべきか
- 9. 【神奈川県】横須賀・横浜での申請から許可取得までの流れ
- 9.1. 許可後の注意点と更新手続き
- 10. FAQ
- 11. まとめ
内装仕上工事業とは?許可が必要な工事の範囲

塗装工事業は、建設業法第2条第1項の別表第一に掲げる29種類の建設工事のうちの一つです。塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、または貼り付ける工事を指します。具体的には、一般的な建物の外壁塗装や内装の塗装はもちろん、鋼構造物の塗装や路面標示まで、幅広い工事が含まれます。
建設業の許可業種の中でも、とび土工工事業や管工事業などと比較すると、11番目(令和6年3月現在)と全体のシェアはさほど大きくありませんが、建物の保護と美観を担う重要な業種として位置づけられています。塗装工事は単に色を塗るだけではなく、建物や構造物を風雨や紫外線から保護し、その寿命を延ばす役割も担っているのです。
塗装工事業の内容と具体例

塗装工事業には、様々な種類の工事が含まれます。主な工事内容は以下の通りです。
工事内容 | 具体的な工事例 |
---|---|
一般塗装工事 | 建築物の内外装の塗装、住宅の外壁・屋根塗装 |
鋼構造物塗装工事 | 橋梁・タンク・鉄塔等の鋼構造物の塗装 |
路面標示工事 | 道路の区画線、横断歩道、矢印等の標示 |
溶射工事 | 金属等を溶融し、圧縮空気で吹き付ける工事 |
ライニング工事 | タンク内部等に樹脂等の保護層を形成する工事 |
布張り仕上工事 | 壁面等に布を張って仕上げる工事 |
塗装工事業の考え方と区分
塗装工事業は他の建設工事業種と重複する部分もあり、区分が難しい場合があります。神奈川県の建設業許可事務ガイドラインでは、以下のような考え方で区分されています。
「内装仕上工事業」との違い
塗装工事業と内装仕上工事業は、どちらも建物の美観に関わる工事ですが、その施工方法と使用材料に大きな違いがあります。塗装工事業が「塗料や塗材を塗る・吹き付ける」のに対し、内装仕上工事業は「壁紙やカーペットなどの材料を貼る・敷く」工事です。
例えば、同じ壁面に対する工事でも、ペンキやエマルジョンペイントで仕上げる場合は塗装工事業、壁紙を貼る場合は内装仕上工事業に該当します。ただし、「布張り仕上工事」は、壁面等に布を張って仕上げる工事であるが分類上は塗装工事業になります。内装仕上工事業と似た性質を持っているが違う点に注意が必要です。
「防水工事業」との違い
塗料を用いた防水処理と塗装工事の区分も、時に判断が難しいケースがあります。基本的な考え方としては、建物の防水を主目的とする工事は「防水工事業」、美観や保護を主目的とする工事は「塗装工事業」に分類されます。
特に紛らわしいのが「塗膜防水工事」で、これは防水工事業に分類されますが、塗装と似た施工方法を用います。一方、防水性能を持つ塗料で外壁を塗装する工事は、主目的が美観と保護であれば塗装工事業に分類されるのが一般的です。
防水モルタルを用いた防水工事については、左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能とされていますが、これは塗装工事業には該当しません。
路面標示工事について
「路面標示工事」は道路の区画線や横断歩道などを塗装する工事であり、塗装工事業に分類されます。この工事は単に見た目だけではなく、交通安全に直結する重要な役割を持ちます。塗料の特性や耐久性、視認性などの専門知識が必要とされる分野です。
これらの工事はその区別が曖昧な点があり、そのパターンを列挙することはできません。不明点は事前に県に相談をしましょう。
建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧
塗装仕上工事業において、専任技術者や監理技術者として認められる主な資格は以下の通りです:
- 一般建設業
- 特定建設業
- 1級土木施工管理技士
- 1級土木施工管理技士補 + 実務経験3年
- 2級土木施工管理技士(土木) + 実務経験5年
- 2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)
- 2級土木施工管理技士(薬液注入) + 実務経験5年
- 2級土木施工管理技士補 + 実務経験5年
- 1級建築施工管理技士
- 1級建築施工管理技士補 + 実務経験5年
- 1級造園施工管理技士
- 1級造園施工管理技士補 + 実務経験3年
- 2級造園施工管理技士
- 2級造園施工管理技士補 + 実務経験5年
- 1級塗装
- 2級塗装 + 実務経験3年
- 路面標示施工
- 登録建設塗装基幹技能者
- 登録標識・路面標示基幹技能者
- 登録外壁仕上基幹技能者
特定建設業に必要な技術者の要件は、一般建設業でも有効です。
一部の資格では、資格取得後に一定期間の実務経験が必要となります。
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
建設業許可が必要となる工事金額の基準
建設業許可が必要な場合と不要な場合
建設業法では、工事の種類や請負金額によって、許可が必要かどうかが決まります。以下の「軽微な建設工事」に該当する場合は、許可なしでも工事を請け負うことができます。
- 建築一式工事の場合(建物の新築・増築など総合的な工事)
- 1件の請負金額が1,500万円未満(消費税込)
- または延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事
- とび土工工事業を含むその他の建設工事の場合
- 請負金額が500万円未満
つまり、とび土工工事業で500万円以上の工事を請け負う場合は、原則として建設業許可が必要です。また、同一の注文者から複数の工事を請け負う場合、合計金額で判断される場合があるため注意が必要です。
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許可なしで工事を請け負うリスク
建設業許可が必要な工事を無許可で請け負うと、建設業法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。また、営業停止処分を受けることもあり、事業継続に大きな影響を与えかねません。
さらに、公共工事の入札参加資格を得るためには建設業許可が必須条件となっているため、これから事業拡大を目指していた事業主様にとって大きな機会損失にもなります。
将来的な事業拡大を見据えて、早めに許可を取得しておくことをお勧めします。
神奈川県で建設業許可を取得するための5つの要件
建設業許可を取得するためには、主に以下の5つの要件を満たす必要があります。
1. 経営業務の管理責任者(経管)の要件
建設業の経営業務を適正に管理できる人材の存在が必要です。具体的には、以下のいずれかに該当する常勤の役員等が必要となります。
- 建設業の経営業務について5年以上の経験を有する者
- 経営業務の管理責任者に準ずる地位で経営業務を補佐した経験が5年以上ある者
- 建設業の経営業務の管理責任者を直接補佐する職務で6年以上
この要件は「経営能力」を問うものであり、会社の代表者や取締役などの役員が該当することが一般的です。個人事業主の場合は、事業主本人が該当するケースが多いでしょう。
2. 専任技術者(営業所技術者)の要件
各営業所ごとに、とび土工工事業に関する知識と経験を持つ「専任技術者」を配置する必要があります。専任技術者には以下のいずれかの要件が求められます。また、自己申告ではなく、資格証や実務の経験を書類等を用いて証明できなければなりません。特に実務経験10年分を証明するのは非常に困難な場合が多いのが現実です。
- 建設業に関する指定学科を修め、卒業後の実務経験が必要年数ある者
- 実務経験のみで要件を満たす者
- 国家資格等を有する者
専任技術者は、その営業所に常勤して専らその職務に従事する必要があります。兼業や掛け持ちは原則として認められないため、確実に常勤状態を確保することが重要です。
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3. 誠実性の要件
申請者(法人の場合は役員等を含む)が、請負契約に関して不正や不誠実な行為をしていないことが求められます。
- 建設業法や他の法令に違反して刑罰を受けていないこと
- 許可の取消処分を受けた場合、取消から5年を経過していること
- 営業停止処分を受けた場合、停止期間が終了していること
この要件は、社会的な信頼性を担保するためのものであり、法令遵守の姿勢が問われます。
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4. 財産的基礎・金銭的信用の要件
安定した事業運営のための財政基盤があることを証明する必要があります。
一般建設業の場合、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の資金調達能力を有すること
- 過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること
特定建設業の場合は、より厳しい基準が設けられており、以下の全ての条件を満たす必要があります。
- 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金が2,000万円以上、かつ自己資本の額が4,000万円以上であること
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5. 社会保険への加入
建設業許可を得るためには、以下の社会保険に適切に加入していることが必要です。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険

出典:神奈川県建設業許可の手引き
個人事業主と法人の場合、従業員の有無、人数等で保険の加入義務範囲が変わります。詳細は下記の記事をご覧ください。
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営業所の場所で決まる許可の種類
横須賀・横浜を含む神奈川県内で営業所のみを設ける場合は「神奈川県知事許可」が必要となります。
神奈川県だけでなく、県外である東京にも営業所を設ける場合は「国土交通大臣許可」となります。
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一般建設業と特定建設業の違いと選び方
建設業許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があります。主な違いは元請工事における下請契約の金額と、置くべき技術者の違いです。
一般建設業許可
- 下請工事の総額が4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)の工事のみを請け負える
- 主任技術者を置く必要がある
どちらの許可を取得すべきか
選択の基準は、将来的に予想される工事規模と下請の活用状況です。
- 小規模な工事が中心で、下請をあまり使わない場合:一般建設業
- 大規模工事を請け負う予定がある、または多くの下請を使う予定がある場合:特定建設業
まずは一般建設業許可を取得し、事業拡大に伴って特定建設業許可へ移行するというステップを踏むケースも多くあります。神奈川県内、特に横須賀・横浜エリアでは公共工事への参入を目指す場合、将来的には特定建設業許可の取得も視野に入れると良いでしょう。
【神奈川県】横須賀・横浜での申請から許可取得までの流れ
- 申請書類の作成と確認
- 申請に必要な書類を確認、収集、作成をします。書類の数は数十種類必要で、経営管理責任者や営業を技術者の証明が必要な場合には、さらに関係書類の収集が必要になります。

- 県土整備局 事業管理部建設業課へ書類を提出
- 令和7年3月17日、県土整備局 事業管理部建設業課は下記の住所へ移転しました。
〒231-0021 神奈川県横浜市中区日本大通33番地 神奈川県住宅供給公社ビル5階

- 申請書の審査
- 神奈川県では、新規申請や、業種追加申請の許可について申請書の受付後、約50日時間を要します。
更新許可申請は概ね35日間となっています。ただし補正がある場合にはさらに時間がかかります。

- 許可の通知
- 許可通知書は、あなたが正式に建設業を営む資格を得たことを証明する公的な書類です。この通知書は再発行されないため、大切に保管することが必要です。万が一紛失した場合は、行政機関に「建設業許可証明書」を申請することになりますが、これには手数料がかかります。

許可後の注意点と更新手続き
許可取得後の注意点!
- 建設業許可の有効期間は5年間
- 許更新申請は30日前までに行うこと
- 営業所ごとに「建設業許可票」の提示義務を守る
- 毎事業年度終了後、4か月以内に決算変更届を提出すること
- 役員や専任技術者に変更があった場合には30日以内に変更届を提出すること
これらの手続きを適切に行わないと、許可の取消しや営業停止などのペナルティを受ける可能性があります。
FAQ
-
建設業許可の審査で特に厳しくチェックされる点は何ですか?
-
A3: 特に厳しくチェックされるのは、経営業務の管理責任者と専任技術者の要件です。経験年数の証明や常勤性の確認などが重点的に行われます。また、社会保険の加入状況や財務状況についても詳細に審査されます。書類の不備や虚偽の記載があると、許可が下りないだけでなく、罰則の対象となる可能性もあるため注意が必要です。
-
個人事業主でも建設業許可は取得できますか?
-
はい、個人事業主でも建設業許可を取得することは可能です。ただし、法人と同様に経営業務の管理責任者(個人事業主本人が該当することが多い)と専任技術者の要件を満たす必要があります。また、財産的基礎の証明方法が法人とは異なりますので、専門家にご相談されることをお勧めします。
-
横須賀・横浜以外の地域でも対応していますか?
-
当事務所では、神奈川県全域における建設業許可申請のサポートを承っております。誠に恐縮ではございますが、現在のところ神奈川県以外のお客様への対応は行っておりません。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
まとめ
電気工事業の建設業許可を取得することで、請け負える工事の範囲と規模が大きく広がります。特に横須賀・横浜エリアでは、公共工事や大型民間工事への参入機会が増え、事業拡大の大きなきっかけとなるでしょう。
建設業許可の取得は複雑な手続きを要しますが、要件を理解し計画的に準備を進めることで、スムーズに取得することができます。特に経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を満たすことが重要なポイントです。

中尾幸樹
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